ブログの更新ペースがもの凄い勢いで落ちてますが、それでも楽しみにご覧頂いている方がいらっしゃるのは有難い限りです!時間の許す限りは続けていきますので、これからも楽しみにしていて下さいね。
で今回は既にSNS上で情報も公開し、大変大きな反響を頂いているg7-LPSの2本。(とここの時点でピンとくる方もいらっしゃると思います)
松本さんとTAKUROさん、それぞれの所有モデルについて、またはその製作に至るまでの経緯なんかも掘り下げてみたいと思います。大変貴重な情報も含みますので、どうぞ最後まで楽しんでください!
では早速、、、コチラが松本孝弘さん(B'z)用にお作りした一本。
そしてコチラはTAKUROさん(GLAY)用にお作りした一本となります。
皆さんもご存知の、共に日本を代表するアーティストお二方の為のカスタムモデルを今回は取り上げてみようと思います!
とは言っても楽器の仕様に関する記述はHPにそれぞれの専用ページをご用意しているのでそちらをご覧頂くとして(ブログ最下部にリンクも設けています)、そこには書ききれなかった事を取り上げてみたいと思っています。
まず多くの方が気になっているのは、「そもそもどうしてこうなった?」だと思います。
事の経緯としては、元々松本さんとは20年来のお付き合いをさせて頂いています。お付き合いの内容としてはヴィンテージギターの手配や、エンドースメント関連楽器以外のリペアやカスタムがメインとなります。
ファンの方はよくご存知の'59のレスポールスタンダードは勿論、その他ギブソン、フェンダー、マーティンのヴィンテージギター。松本さんの所有されているそれらのギターの少なくとも半数以上はg7で手配させて頂いたものかと思います。(この情報も本邦初公開です!)
詳しい本数は正直私共も、そして恐らく松本さんご本人も覚えきれないぐらいの量なので詳細は割愛させて頂くとして。。。
最近では'61のSGスタンダードやコリーナのフライングVなどが記憶に新しいところですね。(コリーナVをあそこまで気に入って頂けるとは正直予想してませんでした、、、)
話が逸れたので修正しますね。
そういったお付き合いの中で、松本さんより「'59のバーストを探してる友達がいるんだけど探してやってくれないか?」というお話を頂戴しました。
それがタクローさんだったんですが、実はタクローさんもデビュー直後に一度g7をご利用頂いていて、その時は'68のレスポールカスタム(こちらもファンの方ならよくご存知のアレです)をご購入頂いていました。
それ以降は特にお付き合いもなかったのですが、松本さんからのご紹介により改めてお仕事をさせて頂く事となりました。
その際タクローさんに手配させて頂いた'59レスポールは、ロンドンとニューヨークの両方に飛び、現地のディーラーを通じて7~8本ほどのオリジナルバーストの中から私共が選びに選び抜いた最上級の一本をご提示させて頂きました。
オリジナルビグスビーが搭載された美しい個体は、タクローさんにも大変喜んで頂いたのをよく覚えています。
そのレスポールが初めて舞台に立ったのはGLAY 20th Anniversaryの東京ドーム。その日はタクローさんからご招待頂きライヴも拝見していましたが、今回の59バーストをこの日の東京ドームに何とか間に合わせたい!という強いお気持ちを伺っていたので、ご本人の感情がギターにも乗移り見事なサウンドをドームに響かせていたのをよく覚えています。
※その際手配させて頂いた1959年製 Gibson Les Paul Standardです。
そのバースト手配の最中に、タクローさんからはg7のレスポールにも強い関心を示して頂いており、'59バーストをお渡し後ほどなくしてカスタムオーダーモデルの話に進んでいきました。
そしてタクローさんをご紹介頂いている事もあり、松本さんにも一言お声がけはさせて頂こうとなり「タクローさんへ一本お作りするのですが、もし良かったら松本さんも如何ですか?」とお話したところ「是非」というお答えが返ってきました。
ご存知の通り松本さんはギブソンのシグネチャーアーティストですので、レスポールシェイプのオーダーをお勧めしてもまず丁重にお断りされておしまいだろうと考えていたので、そのお返事には正直驚きました。
松本さんには店頭販売用のg7-LPSをお貸出しし、実際の現場で使ってみて頂いた上で色々とお好みを含めた感想なども伺う事が出来ました。基本的なクオリティやサウンドはその時既にお気に召して頂いていたようです。
※その際お貸出しした個体の中でも特に気に入って頂けた実機の画像です。この個体のサウンドが、今回のカスタムモデルの製作にあたっての指標となりました。
(既に売却済みとなっております)
以上のような流れで松本さんとタクローさんへのカスタムオーダープロジェクトはほぼ同時期にスタートしていきました。
前置きが長くなりましたがサウンドの印象を。。。
まず松本さんの個体ですが、これまでのお付き合いの中で松本さんのお好みというのを私共なりに理解はしているつもりです。
そのイメージは太く、コシのある、中域が一番前に飛び出るような、それでいてブライトな色気をトップに感じる、上質で力強いサステイン。
ただサステインは長ければ良いわけでもなく、中域だけが出てくれば良いわけでもなく、、、複雑かつ絶妙なサウンドバランスの色気たっぷりのサステインが必要となります。そして本機では見事にその理想のサウンドが実現出来たと思っています。
※因みにこの画像のレスポールが本機のカラーリングの参考資料(松本さんご自身によるご指定)となりました。
パーカッシブかつブライトなパンチのあるレスポンスも重要です。しかし、その直後のサステインにこそ力強さと美しさを兼ね備えた魅力が必要と考え、やはりセットアップなどにもその意識は強く持って臨みました。
本機を触っていると色々な魅力を感じますが、ヴィンテージライクな反応でありながらも太いサステインと、そして暴れ過ぎない音像。この辺りが一番印象に残りました。
次にタクローさんの所有機です。
こちらの個体はサンバーストの渋さが目に入りますが、そのサウンドは見た目とは違い非常に元気がありながらも美しいトーン、、、一言で言うとそんな印象でした。
この個体で最も驚くべき要素は1弦の飛び出し方。これは生音の段階でも感じていましたが、驚いたのはフロントPUで出力した際です。
通常レスポール含めたトラッドなギターの多くはフロントの1弦というのはやや引っ込んだ印象を受けます。勿論その上でバランス良く、かつ心地よく響くよう意識したセットアップを施すのですが、本機は最初から凄い勢いで飛び出してきたのです。
ここで補足なのですが、1~2弦が強く飛び出てくるだけでギターというのは全体的な印象も元気な印象を受けるんです。その傾向がある上に本機の1~2弦はなかなかあり得ない程の立ち上がり、音量感を持っていました。
最初はやや暴れ馬的な印象もありましたが、そこはセットアップで上手く他弦とのバランスをとり、元気でありながらもプレイする上でのサウンドコントロールはし易くする事に成功しました。
結果として、非常にヴィンテージライクな生々しい質感を持ちながら、一際バンドアンサンブルでも際立つキャラクター、そして非常に美しい艶を備えた上質なトーンを持つ一本に仕上がりました。
あまり詳しくご紹介は出来なかったのですが、多少なりとも両機の雰囲気が伝わればと思います。
メディアでのご使用があるかどうかはご本人次第なので、皆さんが目にする機会、耳にする機会も未定ですが(TAKUROさんは代々木体育館でのテレビ朝日主催イベントで既にご使用頂き、その様子も某YouTubeにアップされていた事をコッソリと教えておきます。)、もし機会があればどうぞ目を凝らし、耳を澄まして頂ければ幸いです!
松本さん所有モデルの詳細はコチラからどうぞ。
TAKUROさん所有モデルの詳細はコチラからどうぞ。
投稿者:宇佐川