Commons:ライセンシング

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Shortcuts: COM:L • COM:LICENSE

このページでは法律の専門家ではない皆さんに向け、具体的な例を通して複雑な著作権法の概要を解説します。アップロードしようとする人向けに、対象の画像もしくはその他のファイルをウィキメディア・コモンズで受け入れるかどうか、判断を助けることを目指します。コモンズのコンテンツを利用者自身の著作物で使用する方法の情報を探しておられる場合は、Commons:ウィキメディア内のコンテンツを外部で再利用するを参照してください。

ウィキメディア・コモンズではフリーコンテントのみを受け入れています。つまり、著作権の制限なく誰でも、いつでも、どんな目的にでも利用できる画像他のメディアファイルを取り扱います。ただし、著作権に関連しない問題により使用が制限されることがあり(Commons:著作権以外の制限参照)、また、ライセンスによって特別な対応が求められる場合もあります。さらに、著作権の保護期間がある国では満了しているが、他の国では有効である場合もあります。その詳細の一部は、以下で説明しています。ウィキメディア・コモンズは、そのような制限をすべて画像の解説ページに記述するように努めていますが、使用がライセンスに合致し、適用される法律に違反していないことを確認するのは、再使用者の責任です。

ウィキメディア・コモンズでは、以下のファイルだけを受け入れています。

ウィキメディア・コモンズではフェアユースを理由とする使用の正当化を受け入れていませんCommons:フェアユースを参照してください。非営利のみのライセンス(CC BY-NC-SAなど) だけで配布されたメディアも受け入れません。

画像またはメディアファイルに適用されているライセンスは、そのファイルの解説ページにコピーライト・タグを用いて明確に表示されなければなりません。その使用ライセンスが表示を必須とする情報もすべて解説ページに提供しなければなりません。解説ページには、ライセンス状態を他者が確認するのに必要な情報をすべて提供しなければなりません。この情報提供は、アップロード・フォームの要約欄を使って、アップロードと同時に行うのが最善です。

もしあなたが著作権保有者で、許諾の承認をご希望の場合は、電子メールのひな型をご利用の上 VRTまでご連絡ください。

ライセンス早わかり(ただし完全に正確な説明ではありません)

受け入れられるライセンス

著作権ライセンスとは、著作権により保護されている作品について誰が利用してよく、どのように利用してよいかを述べる正式な許諾です。ライセンスは著作権保持者のみが与えることができます。著作権保持者とは、通常は作者(写真撮影者、画家など)です。

 
この漫画はコモンズが「非営利」ライセンスを受け入れない理由を説明しています。クリックすると大きな画像が見られます。

コモンズで取り扱うことができる著作権により保護されているもの(パブリック・ドメインにないもの)はすべて、フリー・ライセンスで配布され、誰でも、どんな目的にでも利用できることを特定的に、撤回できない形で認めたものでなければならず、単に「この作品は誰でも自由に使ってかまいません」と書くだけでは十分ではありません。特に、ライセンスは以下の条件を満たしていなければなりません

  • 再発行や再配布の許可(必須
  • 二次的著作物の公開の許可(必須
  • 作品の商用利用の許可(必須
  • ライセンスが永久(満了期間がない)かつ撤回不能であること(必須
  • 製作者や寄贈者の記載は要求してもかまわない
  • 二次的著作物の公開に際しての同じライセンスの使用は要求してもかまわない
  • デジタル配布に関して、デジタルの制限管理(DRM)が施されていないオープン・ファイル形式の使用は要求してもかまわない

画像や映像の低品質または低解像度の版のみをフリー・ライセンスで公表し、高品質の版については厳しい条件を課そうとする作者がいます。このような区別が法的に有効か否かは明らかでないのですが、コモンズとしては著作権者の意図を尊重するため、低品質版のみを受け入れることにしています。

以下の制限を画像およびその他のメディアファイルに適用してはなりません

  • ウィキメディアによる利用のみ。
  • 非営利、教育目的、私的、あるいは編集上の利用のみ。
  • フェアユースの下での利用のみ。
  • 一部あるいは全ての利用に際し、製作者への連絡を希望ではなく必須とすること。

例えば、以下のようなものは通常、許可されません

  • フリー・ライセンスによって提供されていないソフトウェアのスクリーンショット。ただしGPLやその他の類似したフリー・ライセンスによって提供されたソフトウェアのスクリーンショットは一般的に大丈夫であると解釈されています。Commons:スクリーンショットを参照してください。
  • テレビ放送・DVD・ビデオゲームのスクリーンショット。Commons:スクリーンショットを参照してください。
  • 著作権保護されている芸術作品のスキャンおよび写真複製。特に本の表紙、アルバム・CDのジャケットなど。Commons:二次的著作物を参照してください。
  • 著作権保護されているシンボルやロゴなど。(商標と混同しないように注意してください。)
  • 模型、マスク、玩具やその他、著作権保護されている作品(例えばマンガや映画のキャラクターなど)を表現したもの(役柄に関係ない俳優本人はこれに当てはまりません)Commons:二次的著作物を参照してください。

コモンズでは著作権で保護されていない作品(すなわちパブリック・ドメインにある作品)も受け入れています。詳しくは下記のパブリック・ドメインに関する節を参照してください。

このライセンスポリシーの正当性についての説明は、Commons:Licensing/Justificationsを参照してください。

マルチライセンシング

 
この漫画はクリエイティブ・コモンズ・ライセンスを含めることの有用性を説明しています。クリックすると大きな画像が見られます。

ライセンスのうち少なくとも1つが上述のフリーライセンスの基準を満たしている限り、ファイルに対して好きなだけ多くのライセンスを付与することができます。例えば、ファイルをクリエイティブ・コモンズ 表示-継承(基準に適合)と表示-非営利(基準に不適合)の両方でライセンスすることができます。この場合、再利用者は互換性のあるライセンス(継承)で二次的著作物を作るか、異なるライセンスモデルを使って非営利での利用に制限するか、選択肢を与えられます。ただし、表示-非営利はフリーライセンスの基準に適合しないので、後者を選択する再利用者は、その二次的著作物をコモンズにアップロードすることはできません。

他プロジェクトのライセンス方針との互換性の面から、利用制限があるライセンスを組み合わせたマルチライセンシングが望ましい場合があります。また、マルチライセンシングを用いることで、二次的著作物を作成する人々が望む場合には、制限つきライセンスのもとだけで公開することが可能となります。つまり、二次的著作物の製作者が自作に使用できるライセンス選択の「自由度」を上げることができます。Commons:Multi-licensingを参照してくだい。

有名なライセンス

Shortcut

コモンズでの作品公開にあたっては、以下のよく知られたライセンスが推奨されます。

ウィキメディアコモンズにおけるクリエイティブ・コモンズのライセンスの概要
クリエイティブ・コモンズのライセンスアイコンと名称 略称とバージョン ウィキメディアで
許可・禁止
注記
 
Public Domain Mark
パブリックドメイン
CC Public Domain Mark 1.0   一般に問題なし Flickr画像にしばしば見られ、大多数の情况下でライセンスがフリーであると見なされます。 - 以下のパブリックドメイン節をご参照ください
 
CC0 Button
ゼロ・パブリック・ドメイン—「いかなる権利も保有しない」
CC0   許可
 
CC BY Button
表示
CC BY (1.0 2.0 2.5 3.0 4.0)‎   許可
 
CC BY-SA Button
表示-継承
CC BY-SA (1.0 2.0 2.5 3.0 4.0)‎   許可
 
CC BY-NC Button
表示-非営利
CC BY-NC (1.0 2.0 2.5 3.0 4.0)‎   禁止
 
CC BY-NC-ND Button
表示-非営利-改変禁止
CC BY-NC-ND (1.0 2.0 2.5 3.0 4.0)‎   禁止
 
CC BY-NC-SA Button
表示-非営利-継承
CC BY-NC-SA (1.0 2.0 2.5 3.0 4.0)‎   禁止
 
CC BY-ND Button
表示-改変禁止
CC BY-ND (1.0 2.0 2.5 3.0 4.0)‎   禁止
記号の凡例
  "BY"
このアイコンは、その画像のライセンスが帰属の表示を必要とすることを意味します。例えば、画像が特定の個人「によって」(BY)作成されたというような表示です(ここで言う「BY」は略語ではありません)。
  SA
このアイコンは「継承」("Share Alike")です。他者が派生作品を作成してもかまいませんが、その貢献物は原作と同一もしくは互換性のあるライセンスのもとに公表すべきであることを意味します。
  NC
このアイコンは「非商用」ライセンスを示します(コモンズでは許可されません
  ND
このアイコンは「派生作品の禁止」ライセンスを示します(コモンズでは許可されません
  •   繰り返しとなりますが、パブリック・ドメインにある作品も受け入れています(下記参照)。

詳細はCommons:コピーライト・タグをご参照ください。

禁止されるライセンス

フリーな文化的作品 (Free Cultural Works) の定義に合致するライセンス下では使用できない作品について、絶対に受け入れることができません。より詳しくはウィキメディア財団のライセンシングに関する理事会決議を参照してください。

インターネットで一般的であっても、コモンズでは禁止されているライセンス状態のよくある例:

  •   クリエイティブ・コモンズの非営利限定(-NC)ライセンス
  •   クリエイティブ・コモンズの改変禁止(-ND)ライセンス
  • フェアユースフェアディーリングおよびこれに類似する法的に認められた例外の下でのみ利用することができるライセンスされていない素材(理由は下記を参照
  • 特定の条件下にある、GNU Free Documentation License (GFDL) (下記を参照

許可されていないライセンスについては、許可されているライセンスを1つ以上付与したマルチ・ライセンシングが行われている場合にのみ、コモンズでの使用が認められます。

画像が許可されていない場合は、CC BY(クリエイティブ・コモンズ 表示)あるいはCC BY-SA(クリエイティブ・コモンズ 表示-継承)のようなフリーライセンスの下で使用を許諾するように著作権者に依頼することを検討してください。

GNU Free Documentation License

GNU Free Documentation License (GFDL) はほとんどのコンテンツについて、特にこれらを印刷媒体で配布するには非実用的です。なぜならば、配布に際してライセンスの全文を付帯することを求めているからです。したがって、GFDL以外に、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのような写真やテキストが簡単に再利用できるようなライセンスを付加してデュアルライセンスで配布するほうが望ましいです。また、可能であれば、GPLおよびLGPLのみを自作のライセンスとしないでください。これらはコンピューター・プログラム以外には向いていません。

以下のすべてが当てはまる場合、GFDLのみのライセンスは許可しておりません。

  • コンテンツのライセンスが2018年10月15日以降である場合。ライセンス付与日を検討対象であり、コンテンツ自体の作成日またはアップロード日は考慮外です。
  • コンテンツは主に写真、絵画、絵、音声または動画であること。
  • コンテンツはGFDLソフトウェアマニュアルから抽出したソフトウェアのロゴ、図あるいはスクリーンショットではないこと。

ライセンス情報

 
情報が十分に記載された画像の例(画像の説明ページを参考にしてください)

コモンズ上のファイルの説明ページでは、必ずライセンスの種類をはっきりと表示しなければなりません。また、使用しているライセンスが必須とする情報(作者など)を必ず示していなければならず、また、たとえライセンスそのものや著作権法によって要求されていなくても、他者がライセンスの状態を検証するのに必要な情報源へのリンクを表示しているべきです。

特に下記の情報は、ライセンスが要求しているかどうかにかかわらず、必ず説明ページに記載しなければなりません

  • ファイルに適用されているライセンス。これはコピーライト・タグを使用して表示しなければなりません。
  • ファイルの出所。アップロードした人が原作者である場合はその旨を明示的に表示しなければなりません(例:「アップロード者が作成」「自作」など)。それ以外の場合、可能な限り出所へのウェブリンクか書誌情報を記載してください。注:「ウィキペディアから移動」といった記載は、そのファイルがもともとウィキペディアで初公開されたものでない限り、出所の表示として適切と見なされません。第一次の出所を記載してください。
  • 画像またはメディアファイルの著者/作者。著作権保護期間が終了したためにパブリック・ドメインにあるとみなされる作品については、作者の死没した日付が極めて重要になることがあります(下記のパブリック・ドメインに関する節を参照)。アップロード者が著作権保持者であることを示す一般的なテンプレート(例えば、{{PD-self}})はこの要件の代わりにはなりません。これに対する唯一の例外は、作者が匿名を保持することを希望する場合、または作者不明であるが作品が確実にパブリック・ドメインであることを示す充分な情報(作品の制作/公開の日付など)がある場合です。

上記よりは重要度が下がるものの、可能な限り常に提供すべき情報は次のものです。

  • ファイルの説明 (description)。なにに関するファイルなのか、どのように作成されたかといった情報です。
  • ファイルの作成日および制作地。著作権保護期間が終了したためにパブリック・ドメインにあるとみなされる作品については、作成日の情報が必須となることがあります(後述の、パブリック・ドメインにある作品に関する節を参照してください)。

以上の項目を記載するにあたっては Information テンプレートの使用を推奨します。このテンプレートの使用方法についてはCommons:ファースト・ステップ/クオリティと説明を参照してください。

ライセンスの適用範囲

文書(メディアファイル)によっては、複数の「要素」から構成されており、要素ごとに個別にライセンス付与ができる、もしくはしなければならない場合があります。例えば、作品の主要部分に寄与した人は、全員がその成果に対して権利を有しており、各人が作品をフリーライセンスのもとに提供することを明示しなければなりません。詳しくは二次的著作物を参照してください。ただし、このような区別はあいまいで、また国によって見解が異なりえます。以下では例とともに具体的に説明しています。

  • 楽曲の録音では、以下のすべての要素についてフリーライセンスのもと(もしくはパブリック・ドメイン)での提供が必要です。
    • 楽譜(作曲家の権利)
    • 歌の歌詞(作詞家の権利)
    • 演奏(演奏家の権利)
    • 録音(録音技師または録音会社の権利)
  • 芸術作品(本の表紙などを含む)の画像については、以下の要素について必要となります。
    • もとの作品の作者は、あらゆる複製および二次的著作物について権利を有します。
    • もとの作品の忠実な複製でない場合には、撮影者が画像に対して権利を有します。
  • 建造物の画像については、建築の様式に独創性が認められる場合に建築家がなんらかの権利を有している可能性がありますが、Commons:風景の自由も参照してください。

画像の主題が問題の芸術作品でない場合や、はっきりと識別できないような時には、これらの権利関係が複雑となります。このような場合には、通常は最終的な画像(または録音等)の制作者のみが著作権を有します。たとえば、美術館にいる人間の集団を撮影した時に、壁に掛かっているいくつかの絵が画像に含まれていることがありますが、この場合、これらの絵の著作権を考慮に入れる必要はありません。しかし、どこまでが認められるのかの境目はあいまいです。Commons:デ・ミニミスの方針にこの概念に関してより詳細な情報があります。

いずれにせよ、作品のすべての「要素」に対してライセンスを決定して、明示しなければなりません。また、「複製物」の製作者は、通常、新規に著作権を主張することができません。絵画のデジタル写真/ 複製物を作成した人物にはその成果であるデジタル画像に新規の著作権を有しません。問題となる著作権は、もともとの絵画に関するもののみです。これは スクリーンショットでも同様です。

パブリックドメインにある素材

CC0のようなライセンスのもとで公開される作品は、パブリック・ドメインの作品と同等と考えられます。独創性を欠く作品や、布告文は、パブリック・ドメインにあります。米国連邦政府、カリフォルニア州およびフロリダ州を含む世界中のいくつかの政府は、公的記録を含むその作品のほとんどをパブリック・ドメインとしています。これら多くの例外については、英語版ウィキペディアのパブリック・ドメインに関するガイドラインに詳細に定義されています。

コモンズではパブリック・ドメインにあるものを受け付けています。パブリック・ドメインにあるものとは、前述の例外によって認められた文書、そもそも著作権保護の対象外とされているもの、あるいは著作権の保護期間が切れたものを指します。しかしながら、「パブリック・ドメイン」の定義は複雑です。著作権法は国ごとに異なるため、ある国ではパブリック・ドメインであると定義されても、他国ではまだ著作権の保護期間内の場合があります。最低基準を部分的に定めたベルヌ条約などの国際条約があるものの、条約加盟国にはそれぞれにこの最低基準を越えて制限を加える自由が認められています。全体に適用できる確実な目安としては、作品の原作者の没後70年以上経過していれば、その人物の作品は、作者が市民権を保有していた国、およびその作品が最初に公開された国においてパブリック・ドメインとなっているというものです。作者が不明の場合、あるいは共同合作(例:百科事典)の場合、最初の公開日から70年が経過すれば、一般的にはパブリック・ドメインにあると考えられます。手を尽くして探しても作者が不明の場合は、作品は作成後120年経過した時点でパブリック・ドメインと想定されます(詳細は {{PD-old-assumed}} をご参照ください。)

多くの国では著作権の保護期間は70年ですが、アメリカ合衆国は注意すべき例外です。歴史的経緯により、アメリカ合衆国にはもっと複雑なルールがあります。

  • 1929年より前に発行された著作物はパブリック・ドメインにあります。
  • 初版が1964年より前の著作物は、発行から28年間すなわち保護期間は既に満了が原則だが、発行後27年から28年の期間中に著作権保持者が更新を申し出た場合を除く

    その期間に更新した著作権は、最初の発行から95年間

    1964年より前に発行された著作物の大多数はパブリック・ドメインに移行済みですが、著作権が更新されていないという判定が必須です。(1951年以降に発行された著作物の著作権が1978年もしくはそれ以降に更新されていないことの判定は、アメリカ合衆国著作権事務所のオンライン目録で検索ができます—発行年が1951以降1963年までの作品に有効。Googleは1923年から1978年に登録された著作物を含む紙の目録をスキャンしました。)

  • 初版が1978年以前の著作物:最初の発行から95年間
  • 初版が1978年以後の著作物:作者の没後70年間。匿名もしくは職務著作:作品の最初の発行から95年間もしくは作成後120年間のいずれか短い方。

1978年より前に制作され、1978年以降に発行された著作物にはいくつかの特則があります。以上の規則は、アメリカ合衆国内においては他国で制作された作品についても適用されます。

更に、公開された時期と場所が重要となります。いくつかの国では、一定の時期までに発行されたものはパブリック・ドメインにあります。アメリカ合衆国では1929年1月1日がこれにあたります。また政府によって公開されたものは全てパブリック・ドメインに属する国もあれば、著作権を一部主張する国もあります(Commons:各国の著作権ルールを参照してください)。

アメリカ合衆国では、録音物(1929年より前に発行されたものを含む)の著作権は、特殊なケースです。Music Modernization ActTitle IIの下、1972年2月15日より前に固定された録音物は、録音物がいつ初めて公表されたのかに依存する米連邦の著作権の下の期間に対して著作権が与えられます。この連邦著作権は、いかなる手続き(著作権表示、登録、および/または更新)でも関係なく適用されます。具体的な著作権期間は以下の通りです:

  • 1923年以前に初公開された録音は、2022年1月1日にパブリックドメインに入りました。
  • 1923年から1946年の間に初出版された録音は、最初の出版から100年の間、著作権で保護されます。
  • 1947年から1956年の間に初出版された録音は、最初の出版から110年の間、著作権で保護されます。
  • 1956年以降に公開され、1972年2月15日より前に最初に修正された録音は、2067年2月15日にパブリックドメインに入ります。

1972年2月15日以降に最初に修正された録音は、他の著作物と同じアメリカ合衆国著作権法の期間と規定の対象となります。

一部の法域(アメリカ合衆国など)では、自分の作品を自ら宣言してパブリック・ドメインにおくことが可能です。他の法域(欧州連合など)では、このようなことは技術的に不可能ですが、例えば Creative Commons Zero Waiverを付与して、著作権に基づくすべての権利を放棄することで、自由に画像を使用する権利を提供することができます。ただし、この権利放棄は通常「パブリック・ドメイン」として理解されているものの、完全な範囲で法的に拘束力のあるものではありません。(例えば著作者人格権について。)

ハートルのチャートは、ある作品がアメリカ合衆国においてパブリック・ドメインに属するかの判断を助けるツールです。Commons:International copyright quick reference guideは、アメリカ合衆国の外で最初に発行された著作物について、アップロードしてよいか判断するときの参考になります。

米国著作権法とそれ以外の国の著作権法との相互の関係

 
コモンズでは、「モナリザ」の忠実な複製はすべてパブリック・ドメインにあると考えています。詳しくは文章中の「例外」を参照してください。

コモンズは国際的なプロジェクトですが、サーバーをアメリカ合衆国内に設置しており、また最大限に再利用可能なコンテンツを提供することを目的としています。アメリカ合衆国外の著作物のアップロードに関しては、通常、アメリカ合衆国および著作物の本国において有効なフリーライセンスでカバーできる場合、もしくは双方の国においてパブリック・ドメインにある場合にのみ可能です。「著作物の本国」は通常、それが最初に発行された国です。[1]

ファイルをアメリカ合衆国外の国からアップロードする際には、通常、接続元の国およびアメリカ合衆国の著作権法が適用されます。第三者のウェブサイトに保存されていたものであった場合には、アメリカ合衆国、アップロード者の居住国、そしてウェブサイトのウェブサーバーが設置されている国の著作権法が適用されます。このように、当該ファイルを使用するためのライセンスはすべて関係する全法域において適用されます。ファイルをパブリック・ドメインとして扱うためには、これらのすべての法域(および著作物の本国)においてパブリック・ドメインでなければ受け入れられません。

例えば、英国にいる人物がフランスのウェブサイトにある画像をコモンズのサーバーにアップロードしようとする際には、この人物は英国、フランスおよびアメリカ合衆国の著作権法において合法でなければなりません。その人物が当該の画像をコモンズにアップロードするのであれば、その写真は英国、フランスおよびアメリカ合衆国のすべてでパブリック・ドメインでなければなりませんし、ライセンスのもとで提供するのならば、英国、フランスおよびアメリカ合衆国のすべてで認められるライセンスを付与していなければなりません。

例外パブリック・ドメインにある絵画など二次元作品の忠実な複製についてはこのルールの例外となります。ウィキメディア財団の方針を明確にした2008年7月の見解を受けて、コモンズは投票を行い、そのような写真がすべて、制作された国を問わず、パブリック・ドメインとして受け入れ可能であり、警告のタグがつけられるものとしました。詳細はCommons:PD-Art タグを適用する場合を参照してください。

ウルグアイ・ラウンド協定法

メインページ: Commons:ウルグアイ・ラウンド協定法により回復された著作権

ウルグアイ・ラウンド協定法 (URAA) は、「URAA期日」の時点で本源国で著作権の保護を受けている外国の著作物について、アメリカ合衆国における著作権を復活させた法律です。ほとんどの国について、URAA期日は1996年1月1日です。これはすなわち、その外国の著作物がURAA期日の前にパブリック・ドメインにあったとしても、アメリカ合衆国において著作権保護を受けるようになったということを意味します。Wikipedia:アメリカ合衆国以外の国と地域で公表された著作物の著作権についても参照してください。

この法律の合憲性が裁判で争われていたため、当初コモンズは、URAAを無いものとしてアメリカ合衆国においてパブリック・ドメインに属する画像のアップロードを受け入れていました。しかし連邦最高裁判所はGolan v. Holder裁判でURAAの合憲性を認定しました。議論の結果、該当するファイルは一括して削除するのではなく、個別に検証することと決定しました。該当するファイルの検証についての最善の方法について、さらに議論があった結果、Commons:ウィキプロジェクト パブリック・ドメインが作成されました。

URAAの影響を受けるファイルは{{Not-PD-US-URAA}}でタグを付けるべきです。

URAAを理由とするファイルの削除依頼は米国と作品本国の法における著作権状態から慎重な見極めが必要です。ただ単にURAAがファイルに適用されるから、という単独の理由は削除の理由にはなりません。著作権を評価した結果、米国と本国の法においてファイルの自由に相当な疑問が持たれる場合、ファイルは予防原則に合致して削除されます。

Old orphan works

Old orphan works are accepted, provided that

  • the works were created before 1929;
  • or, the works were created before the pma duration in the country of origin, which would satisfy {{PD-1996}} if published at the time of creation (e.g. works created before 1946 for 50 years pma countries, if the URAA date is 1996).

PD 1.0 及び Flickr

 See also: Commons:Flickr files

  クリエイティブ・コモンズ・パブリックドメイン 1.0(Creative Commons Public Domain 1.0) (PDM)のマークの表示は、しばしばFlickr.comほかのウェブサイト上の画像に見られますが、これは適切なライセンス表記ではありません。しかしながら利用者が自作にPDMを表記する場合、パブリック・ドメインにする意思があるとコミュニティは観察し、それらの作品はライセンスがフリーであると考えられます。より詳細な情報については、著作権者がパブリック・ドメイン・マークを付与して公開したファイルの受容についてを参照して下さい。

フェアユースはコモンズでは認められません

ウィキメディア・コモンズは、フェアユースのコンテンツを受け入れていませんCommons:フェアユースを参照してください。

二次的著作物

 
このモンタージュ写真は二次的著作物の一例です。パブリックドメインやCC BY-SA 3.0ライセンスのもとで利用可能な、既存の様々な画像を組み合わせて制作したものです。

ドラえもんの画像がほしいとします。当然のことながら、それをスキャニングするわけにはいきません。それならば、小さなフィギュアの写真を撮ってアップロードしてしまえばどうでしょう。いいえ、それもいけません。このようなフィギュアを被写体とする写真をアップロードしてはいけないのは、これが二次的著作物であると考えられるからです。二次的著作物は、オリジナルの作者の許諾なしに公開できません。

アメリカ合衆国1976年著作権法101条は、「『二次的著作物』とは、翻訳、編曲、脚色、小説化、映画化、録音、美術複製、抄録、要約、またはその他著作物を改作し、変形しもしくは翻案した形式のように、一以上の既存の著作物を基礎とする著作物をいう。全体として著作者が作成した創作的著作物を構成する改訂、注釈、発展またはその他の変更からなる著作物は、『二次的著作物』である。」と規定しています。そして、著作権の対象となっているものを撮影した写真の著作物は、アメリカ合衆国著作権法の下では、被写体であるものを原著作物とする二次的著作物と扱われます。アメリカ合衆国1976年著作権法106条は、「この法典に基づき著作権を有する者は、次に掲げる行為を行いまたこれを許諾する排他的権利を有する。(略)(2)著作権のある著作物に基づいて二次的著作物を作成すること」と規定しています。

したがって、フィギュアや玩具などを撮影した写真のような、無許諾のもとで創作された二次的著作物は、削除されなければなりません。 詳しくはCommons:二次的著作物を参照してください。

例外: いわゆる「実用品」、すなわち固有の実用性を備えた物体は、商業デザインであっても、アメリカ合衆国における著作権保護の対象ではありません。結果として、それを写した写真も、アメリカ合衆国法の下では二次的著作物ではありません。この例外の詳細と適用範囲については、Mazer v. Stein事件での連邦最高裁判所の決定と、{{Useful-object-US}}を参照してください。

単純なデザイン

 
マイクロソフト社のロゴ – {{PD-textlogo}}

商標について(Commons:主題別の著作権ルール:商標も参照してください): ほとんどの商用品や製品は何らかの知的財産権で保護されていますが、著作権はそのような保護の一種でしかありません。著作権、商標権、そして特許権の区別をすることが重要です。次の理由により、ウィキメディア・コモンズは基本的に著作権上の制限のみを実行しています。

  1. ほとんどすべてのものは商標となりえますが、すべてを禁止するのは意味がありません。
  2. 工業的な複製については商標と工業デザインについての制限が関係しますが、それ以外の場合、そのような物品の写真は自由に複製できるものです。

→ 以上の理由によって、コモンズは著作権が満了したあらゆる商標を受け入れています。さらにコモンズは、一般的なタイプフェイスで書かれた文字列や単純な幾何学的形状の画像は、最近作られた商標であったとしても、それらの画像が著作権の保護を受けるため十分な創造性を有していないという理由で、受け入れています。[2] そのような画像は{{PD-ineligible}}またはこの種の作品のためのより特定的なタグ(例えば単純なロゴには {{PD-textlogo}} をタグ付けしてください。

著作権で保護されない単純なデザインのラスターレンダリング(PNG画像など)は著作権で保護されていないものと見なすことができます。著作権で保護されていない単純なデザインのベクター画像(SVGファイルなど)については、ベクター表現に著作権があるかどうかという疑義がいっそう不明確になります。詳細は英語版ウィキペディアのフォントに関する著作権情報{{PD-textlogo}} トークページをご覧下さい。

あるデザインが著作権の保護を受けているか否かを判断するのはしばしば非常に困難なことであり、そのような画像は頻繁に削除候補とされています。削除依頼の結果は様々です。若干の案内として、Commons:独創性の水準や“Threshold of originality(独創性の閾値)”(英語版ウィキペディア)を参照してください。

フォント

「COM:FONT」はここにリダイレクトされています。SVGレンダリングに利用可能なフォントについては、meta:SVG fontsを参照してください。

フォント(タイプフェイス)の ラスターレンダリングは、米国法の下では著作権の対象となっておらず、したがってパブリック・ドメインにあります。タイプフェイスのデザインを著作権の対象とする国もあります(英語版ウィキペディアの intellectual property of typefacesを参照)。このような場合には{{PD-font}}を使用してください。

著作権に関する諸規則

以下のページには、適用される著作権のルールに関するガイドがあります。

関連項目


関連項目

脚注

  1. ベルヌ条約によれば、作品が複数の国で同時的に発行された場合、著作権の保護期間を最も短い期間としている国を「著作物の本国」とします。
  2. SKYYウォッカの瓶とロゴに著作権が生じないと決定したEts-Hokin v. Skyy Spirits Inc事件を参照してください。

外部リンク

法令集:

著作権条約:

その他: