センナ(学名:Senna alexandrinaシノニムCassia angustifolia M. Vahl、C. acutifolia Delile等)とは、マメ科ジャケツイバラ亜科[1]の植物である。生薬名としては本種の小葉を指す(日本薬局方での基原植物の定義による)。

センナ
センナ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
: マメ目 Fabales
: マメ科 Fabaceae
亜科 : ジャケツイバラ亜科 Caesalpinioideae
: センナ属 Senna
: センナ S. alexandrina
学名
Senna alexandrina Mill.
和名
センナ
英名
Alexandrian Senna

上エジプト(特にヌビア地方)とスーダンハルツーム付近に自然分布し、栽培もされている。この他、インドソマリアでも栽培されている。種小名は「アレクサンドリアの」という意味で、上エジプトで収穫されたセンナがラクダの隊商によってアレクサンドリアに運ばれ、ヨーロッパアジアに輸出されていたことに由来する。ラテン語の属名「センナ」もアラビア語のサナー(سنا‎)に由来する。 上記の基原植物の学名、和名に混乱があるようであるが、センナホソバセンナアレクサンドリアセンナチンネベリセンナなどがこれにあたる。

作用機序、関連医薬品 編集

センノシド
 
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
販売名 医療用医薬品検索
法的規制
  • センノシドは「医療用医薬品」または「一般用医薬品」。
    センナの茎については「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断はされない。ただし、果実・小葉・葉柄・葉軸は「医薬品」とみなされる。[2]
投与経路 経口
薬物動態データ
代謝腸内細菌
代謝物質レイン (化合物)
レインアントロン(仏語版, 日化辞 - J-GLOBAL)
排泄便
識別
PubChem CID: 656822
KEGG D02171
日化辞番号 J182.274H
別名 Senna glycoside (センナ配糖体)
化学的データ
化学式C42H38O20
分子量862.75 g·mol−1
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プルゼニド錠12mg(ノバルティス)

生薬としての「センナ」は瀉下剤である[3]。有効成分はアントラキノン類およびその配糖体

薬理成分のセンノシド (sennoside) が腸内細菌により代謝分解され、瀉下効果を示す。このセンノシドを成分としたソルダナプルゼニドといった多数の医薬品(いずれも商品名)もあり、胃のレントゲン検査後のバリウム(正確には硫酸バリウム)排泄の目的や便秘症に用いられる。かつては堕胎に使われていたという説もある。

センナを含む健康茶について 編集

日本薬局方での基原植物に該当するセンナの果実・小葉・葉柄・葉軸は医薬品として扱われるので、食品である健康茶などに含まれることは許されない。しかし、ダイエット効果を謳う健康茶などに含まれていることがあり、薬事法違反の無承認無許可医薬品となり回収騒ぎに発展することがある。

また、食品である健康茶などに効能を謳うこと自体が成分にかかわらず薬事法違反であるし、瀉下剤でダイエットというのも無茶なことである。

なお、センナの茎は効能を謳わない限り食品扱いである。従って、効能を謳わないならば食品である健康茶などに茎が含まれていても法的には問題はなく、実際にそのようなものが市販されている。食品と医薬品の区別については、医薬品#食薬区分を参照。

脚注 編集

  1. ^ クロンキスト体系ではジャケツイバラ科とする。
  2. ^ 医薬品の範囲に関する基準” (pdf). 別添3. 「「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)」の食品衛生法上の取扱いの改正について」の一部改正について: 厚生労働省 (H27 4 改正46通知本文(最新版)). 2016年5月21日閲覧。
  3. ^ センナダイオウ錠シンワ

関連項目 編集

外部リンク 編集